強い女がダイスキです。
ハードボイルド小説を読むときも、できるだけ主人公は女性であるものを選びます。
だから、エリザベス一世にも、昔から興味を抱いていました。
エリザベスは、イギリス国王ヘンリー八世の二人目の妻、アン・ブーリンとの間に産まれました。
ヘンリー八世は、アン・ブーリンと結婚するために、離婚を認めないキリスト教を自分に都合の良いイギリス国教会に替え、その首長となった人物です。
そして母親のアン・ブーリンは、男の子を産むために実の兄と関係を持ったといわれています。
産まれた子が異形だったことから魔女と言われ、エリザベスが3歳の時にギロチンで処刑されています。
エリザベスのあらすじ♪
エリザベスは、先の王の妃キャサリン・オブ・アラゴンの子、メアリー、3番目の妃の子(男子)と一緒に、賢い教育係の元で学んだそうです。
エリザベスは最初から強い女だったわけではありません。
男性に普通に恋をする、可愛い女性でした。
しかし彼女には、不幸にも王位継承権というものが付きまとっていたのです。
一時は、反逆罪を疑われ、ロンドン塔に幽閉されたこともありました。
最初王位についたのは、先の妃の娘メアリーでした。
陰湿な彼女の政治を嫌うものが沢山出現します。
また、エリザベスを王位につけ実験を握りたい男たちも暗躍します。
エリザベスが愛し頼った男は妻帯者でした。
政治の実権を握るために妻を捨てた男と、エリザベスを憎みながらどうする事も出来ない妻という、ドロドロの愛憎劇も織り込まれています。
そんな中、震えながら王位を即位し、やがては海賊を支配下に置き、大英帝国を築き上げる女王へと成長する物語です。
エリザベスを読んだ感想♪
彼女は幸せだったのだろうか?
それが一番最初に浮かんだ私の思いでした。
バージン女王と呼ばれたエリザベス一世。
文字通りのバージンではありませんが、権力に纏わりつく男を切り捨てたという意味では、とても的確なニックネームだったと思います・
エリザベス一世の戴冠式の際の出費は、国庫を空っぽにするものでした。
それほど豪華だったという意味ではなく、それほど貧乏な国だったという意味です。
戦力も縮小され軍艦も減らし弱っていく英国を立て直すべくエリザベス一世が決意したのは、海賊に対する保護でした。
それも公にではなく、秘密裏にコッソリと女王配下として利用したのです。
男を切り捨て、国のためだけに自分を使うと決意したその時から、彼女は強くなりました。
人が変わる、自分を変えるのは、昔も今も決意だったり覚悟だったりなのだと、改めて思いました。
エリザベス一世は、自分に忠実だと信じていた家臣からも裏切られる場面があります。
その家臣を含め、最後には大きな敵もひとまとめにし、反逆罪でロンドン塔送りにします。
権力とは、それほど甘い蜜なのでしょう。
昨今の政治を見ていても、その蜜に溺れている感は否めません。
古今東西、権力は何にも勝るもの、何でも手に入る魔法の杖なのでしょうね。
しかし、その魔法の杖を持つエリザベスには、何度も危機が訪れます。
それを乗り越え、両足を踏ん張ってイギリスの礎を築いた彼女に、心からの拍手を送ります。
私の勝手な想像ですが、イギリスという国は女性が統治している時は、強いイギリスであるような気がします。
現在のエリザベス女王ではなく、鉄の女と称されたサッチャーを思い出してそう考えています。
女性は本来強いものだと思っています。
それは男性の持つ鋼の強さではなく、竹のようなしなやかな強さやしたたかさを指します。
私も、女性が持つ強さに憧れてきましたし、自分もそうなりたいと思っていました。
実際の自分が他人から見てそうなのかはさて置き、これからも強い女性に憧れ続けるのは間違いありません。
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