アイネクライネナハトムジークとは、モーツアルトの楽曲で日本では小さな夜というタイトルになっています。

たぶん、音を聞けば「アツ!知ってる」という楽曲のはずです。

CMで使われたりゲームのマリオブラザーズに曲の冒頭が入っていたりします。

この小さな夜というタイトルがそのまま小説のタイトルになっている理由は、推し量る以外ありません。

なぜタイトルが「アイネクライネナハトムジーク」なのか考えてみた…

この小説は短編集です。

小さな物語が折り重なって大きなストーリーになっているという、著者特有の作り方をしています。

少しほっとするような小さな奇跡の物語という意味合いがアイネクライネナハトムジークというタイトルに込められているように感じました。

『アイネクライネナハトムジーク』あらすじ

美容院のお客さんとして来ていた女性に、弟と付き合わないかと持ちかけられます。

躊躇していた彼女ですが、突然その弟から電話がかかります。

何度か電話で話をするうちに、お互いに好感を持つようになっていきます。

 

仕事の関係で長期間連絡ができない時期があるという話を聞いていたある日、とうとう彼の正体が判明しました。

彼は日本で始めてボクシングヘビー級チャンピオンになった人でした。

 

このチャンピオンを軸に、彼女の友達だったり、彼女の友達の娘だったり、はたまたその友人だったりの、日常の「あるある」的なストーリーが展開していきます。

最初、何気なく読んでいるうちは特に不自然さを感じることはありません。

読み進むうちに、あれ?と思う現象がでてきます。

頭の中で人が繋がりだすと、時間軸が違うことに気がつきます。

そして、二つの時間軸が最後に1本になり一つのストーリーが出来上がるのです。

 

アイネクライネナハトムジークの感想♩

 

殆どのストーリーは、登場する人と人の繋がりが見えやすいのですが、一つだけほんの薄い繋がりしかない物語があります。

化粧品メーカーに勤める一人の女性が主人公です。

彼女の上司にあたる女性が、チャンピオンの奥さんの友達という繋がりしかないようです。

 

主人公の女性は、高校時代は太っていて、とても現在とは似ても似つかぬ容姿。

そんな彼女をいじめていた同級生の女性がいました。

大手化粧品メーカーに勤める主人公が、いじめっ子に再開した時、新製品の宣伝用企画を数社からプレゼンを受ける立場でした。

 

プレゼンする側の広告会社一人がそのいじめっこだった女性だったのです。

しかし彼女は主人公が同級生であることに気がつかないまま物語は進行します。

主人公の友人は「復習のチャンスだよ」といいます。

しかし、元来善人の主人公はそれができません。

 

読んでる私の気分としては、どこかで罰が当たればいいと思いながら読み進めました。

人の不幸みたさのワクワクを感じながら、お風呂に入る時間も無視して読み続けた結果が・・

 

どうやら天罰が起きたようなのですが、どんな形だったのかは文章から想像するしかなくて、なんともモヤモヤが止まりません。

どこかに答えがあるんじゃないかと、次々と短編を読破しましたが、それらしいものはありませんでした。

 

この中途半端なモヤモヤが、この作家の巧さだったりするのかもしれません。

否応なくラストまで引っ張っていかれます。

ほのぼのした日常あるあるにスポットを当てたといえばそれまでですが、やりきれなさや安堵感など自分の感情がクルクル回る気がします。

 

まとめ

相変わらず伊坂ワールドに振り回されています。

それはそれで楽しいので仕方がないですね。

筆の早い作家さんらしく、次々と新刊がでてくるのも嬉しいとおころです。

 

しかし、私は新刊が文庫本になりブックオフの100円コーナーに並んで始めて購入するので、かなり待ち遠しい思いでいます。

 

ほとんどの場面が、作家の住む仙台ということもあり、仙台の街並みを想像しながら読むのも楽しいですよ♬

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