伊坂幸太郎著「ガソリン生活」を読んだ感想♪

 

気に入った作家さんに一気にのめり込むのが私の習性です。

しかも、読書タイムは入浴時間だけなので、ブックオフで100円の中古本を買っては読み、水分を含んでしまった本は読み終わったら捨てるというスタイルで物語を楽しんでいます。

 

今回ご紹介するのは、私が今一番好きな作家、伊坂幸太郎さんのガソリン生活という本です。

ガソリン生活のあらすじ…

実は車が主役の物語なのです。

私も読み始めるまでは想像もしていませんでした。

 

主人公は、望月家の愛車「緑デミ」です。

緑色のマツダ「デミオ」のことだと思います。

私は勝手にミドデミと読んでいました。

 

事件は駐車所で助けて欲しいという女性を乗せたことで始まります。

その女性が地元の資産家であり、元女優であり、今もマスコミが目を離さないという有名人でした。

その女性を目的地まで送り届けたあと、彼女は亡くなってしまうのです。

まるで、ダイアナ妃のような亡くなりかたでした。

 

車同士のおしゃべりや、憧れの大型車、雲の上の存在ともいえる電車などと様々な情報交換をしながら、真相を解明していくのです。

ただし真相解明に奔走するのは、実際は緑デミではなく、望月家の人たちです。

運転手である免許取り立ての望月良夫が奮闘します。

彼が緑デミに乗って現場にいったり、色々な人とあったりして事件の真相に迫ります。

 

車と人のダブルキャストともいえる物語です。

ガソリン生活を読んだ感想♪

 

善人と悪人が、物語の中で多少デフォルメされて普通に生活しているストーリーです。

つまり、私たちが暮らしている今の時間を、車の目線で書いただけという身も蓋もない結論に辿りつきました。

 

でも、気楽で、笑えて、楽しくて、心地いいと感じる小説です。

特に緊張感があるわけではないし、お涙頂戴でもないけれど、楽しくて一気に読んでしまいたくなります。

 

普通であること、欲張らず平和に生活していることが、とても素晴らしいことなのだと気づかせてくれます。

平凡な自分の日常に、これで良いのだという安心感を持たせてくれました。

 

登場人物や登場車の中には、一見悪いヤツっぽいのに実は良い人だったり、ただのお年寄りに見える人が本当は武術に秀でていたりします。

やはりここも見かけでは判断できないという面白さでしょうか。登場車も同様です。

 

本文中に、沢山の名言が散りばめられているのにも驚きます。

「俺たちは運転手にアクセルを踏まれれば前に行くが、人間は自分でアクセルを踏まないといけない。アクセルを踏む勇気が出ない時は、だれかに背中を押してもらいたいものなのだろう」

「あのね、人間のやることの99%は失敗なんだってさ。だから失敗するのが普通の状態なんだ。失敗することを恐れている人間は、自分がカッコいいと思っている自惚れた人間だけさ」

こんな言葉を読んでいるうちに、自分の中に浸み込んできて自分の何かがほどけて緩むのを感じます。

だから伊坂幸太郎さんの小説が好きなのかもしれません。

 

ガソリン生活まとめ♬

ガソリン生活のエピローグを読むと、とっても温かい気もちになります。

良かったねと思わず声がでてしまうくらい、ほっとします。

詳細は書きません。ぜひ読んで体感してみてください。

 

車たちは、自分の運転手や家族を愛し、事故や年式などで廃車になることを恐れながら走っています。

車輪の数が知性に比例するらしく、自転車の言葉は車には通じません。

だから車輪の多い電車は、崇拝の対象になっているのですね。

 

今では実際にドライバーと会話するAI搭載の車も開発されています。

 

ナイトライダー的な車への憧れは、誰でも一度は持ったことがあるでしょう。

 

しかし、人の知らないところで車同士が話をしているかもしれないという、一見子供じみた想像力を発揮し、これだけのストーリーを紡ぎだす作家という人種は、やはり凄いとしかいえません。

 

ホームドラマを見るような気軽さで、ぜひ読んで欲しい本の一つです♪

 

 

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