2020年NHK大河ドラマ「麒麟が来る」の配役発表第三弾で登場した太原 雪斎。
坊さんなのに軍師でもあり執政でもあった人で、義元の今川家は太原 雪斎なくしては成り立たなかったともいえる人物です。
2020年NHK大河ドラマ「麒麟が来る」では、伊吹吾郎さんがキャスティングされましたね。
伊吹さん、久しぶりな気がするのは私だけでしょうか。
太原 雪斎(たいげん せっさい)の一生
1496年生まれ。
諱(いみな)は崇孚(そうふ)。
雪斎の号は居住した場所に「雪斎」と書かれた扁額があったことに由来しています。
父は庵原城主・庵原政盛。
母は水軍(海賊)をも掌握していた興津横山城主・興津正信の娘。
両家とも元々今川氏の譜代の重臣です。
そんな雪斎が剃髪し仏門に入ったのが14歳の時。
その高い能力は当時の今川家当主、今川義元の父・氏親の耳にも入り、城に入り仕えるようにという再三の誘いがありましたが断っています。
さて今川義元ですが、氏親にとって五男のため、わずか6歳で仏門に入らせられました。
そこで義元と雪斎が出会います。
雪斎はこの時26歳ですから、親子のような関係ができたのではないかと推察します。
師弟として仏門に学ぶうち、1526年氏親が死去。
ほぼ同じ時に兄2人も亡くなりました。
毒殺ではないかという説もあります。
3番目の兄と家督相続闘争があり、これを花倉の乱といいます。
太原 雪斎の的確なサポートと寿桂尼の影響力を使って義元は還俗。
この時、足利将軍義輝の義を貰い(偏諱)義元としています。
義元からの絶大な信頼を得て、雪斎の八面六臂の活躍が始まります。
中でも大きかったのは、甲相駿三国同盟の締結です。
武田家との関係を改善するため義元の正室を武田家から迎え、さらに京都で作った人脈を生かし、武田家には公家の娘(三条夫人)を紹介して同盟を結びました。
さらにこれが発展して北条家が加わり、甲相駿三国同盟ができます。
あとは織田を従えれば、概ね大敵はいなくなります。
信長の父信秀時代は、軍師として才を遺憾なく発揮して今川は織田に勝利しています。
信長の兄・信広を人質に取り、横取りされた形の人質・松平竹千代との人質交換も成功させました。
軍事や外交手腕もさることながら、僧侶としても活躍しています。
1545年には高僧を招いて駿府に臨済宗を開寺。
妙心寺派の普及のため、各地に寺を建立しています。
また臨済宗を中心とした領内における寺社・宗教の統制や、在来商人を保護する商業政策なども行ない、今川氏の最盛期に大きく貢献しました。
太原 雪斎の死
織田の奇襲で今川の大群が負けた桶狭間の戦い。
この前の1555年、太原 雪斎は亡くなっています。
もし太原 雪斎が生きていたら、歴史は変わっていたのかもしれません。
事実当時を生きた軍師・山本勘助もこう言い残しています。
「今川家の事、悉皆坊主(雪斎)なくてはならぬ家」
さらに家康までも
「義元は雪斎和尚とのみ議して国政を執り行ひし故、家老の威権軽ろし。故に雪斎亡き後は、国政整はざりき」と評したそうです。
太原 雪斎が余りにも優秀過ぎたゆえの弊害でしょうか。
義元も幼児期から一緒に過ごした太原 雪斎への信頼が並外れて厚く、太原 雪斎の死後を考えることもできなかったのかもしれません。
2020年NHK大河ドラマ「麒麟が来る」で太原 雪斎を演じる伊吹五郎さんはこんなコメントをされています。
「この度、賜りましたお役、太原雪斎は、今川義元の参謀と周知された人物。スタッフの皆さんと、心を合わせ力いっぱい演じさせていただきます。」
太原 雪斎とは、冷静沈着な頭脳派でありながら、熱情を内に秘めた人というイメージです。
伊吹吾郎さんは、どんな太原 雪斎を見せてくれるでしょうか。
楽しみに待ちたいと思います。
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