2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公、明智光秀と現在の兵庫県三田市が浅からぬ関りがあることが分かりました。
三田市に残る「ずんべらぼう」の言い伝えと明智光秀の関係、三田市で今も歌う継がれる三田音頭と明智光秀の関係を紹介します。
三田市は室町時代には三田村という地名が既にあり、戦国時代・まさに明智光秀の時代には三田城が築かれ、城を中心に街づくりが行われていた場所です。
材木や農産物などが集まる流通の中心地でもあったようです。
三田市のずんべらぼう伝説と明智光秀
明智光秀を呪う怨霊か!?
三田市のずんべらぼうとは、顔のない妖怪「のっぺらぼう」と同じ意味のようです。
2020年のNHK大河「麒麟がくる」で取り上げられることはないかもしれませんが、明智光秀の非情な面がみえる言い伝えだと思います。
時は明知光秀が丹波攻めをしていたころのこと。
難攻不落の八上城に手こずっていた明智光秀ですが、攻め始めて半年後、最後の策として兵糧攻めを開始しました。
しかしその八上城に食料を運んでいた者たちがいたのです。
それが現在の兵庫県三田市下青野にあった松林寺や三田市藍本にあった虚空蔵寺でした。
それを知った光秀は僧侶たちを全員捕らえ、寺ごと焼き殺してしまったのです。
それから随分と時が経ったころ、木こりが伐採した木を馬に引かせながら松林寺の近くを通りかかりました。
するとどこからか綺麗な着物を着た娘が現れたのです。
その着物に見とれていると娘が木こりに近づいてきました。
不気味な音と強烈な生臭さに襲われ、馬が暴れだし木こりも慌てて逃げ出しました。
ところが娘に追い越されてしまったのです。
娘は大きな岩に立って木こりを見下ろしました。
木こりが見た娘の顔は目も鼻も口もない「ずんべらぼう」で、顎の先からは蛇のような細く長い舌をチロチロと出していたのです。
木こりは馬にしがみつき、必死の思いで山を駆け下りました。
そして麓の村々に「ずんべらぼうが出た!」と伝えて回ったのです。
それ以来、その場所には人が近づくことがありませんでした。
殺された僧侶たちの怨霊がずんべらぼうの娘になって、明智光秀を呪っていたのでしょうか。
見方を変えれば、これは死者に対する弔意の表れだったのかもしれません。
昔から怖い話の裏側には、誰にでも分かるように危険を知らせたり、必要な事を教えたりする意図がありました。
このずんべらぼう伝説も、明智光秀に焼き殺された僧侶たちの墓ともいえる場所を荒らさないようにという伝承だったのかもしれませんね。
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三田市の三田音頭で明智光秀の切腹を歌うのも光秀に対する怒り?
これはずんべらぼう伝説よりもずっと後の時代になります。
浄瑠璃で人気だった太閤記を元に作られたもので、特に意味があったわけではなさそうです。
ただ三田市周辺で明智光秀に焼き討ちをかけられたと伝わる寺社は他にもあります。
こうした歴史から、特に太閤記の中の明智光秀の切腹の部分を引用したのではないかと、うがった見方もできてしまうのは事実です。
明智光秀という武将は様々な面を持った人物だっただと、改めて思います。
側室を持たない愛妻家・統率力があり信頼される武将・厚情の人・当代きっての風流人・そして焼き討ちをかけて僧侶を皆殺しにしてしまう残酷な人間。
残された資料が少ないだけに、三田音頭の真意も実は違うところにあったとしても不思議ではないと、少しワクワクしながら筆者は妄想してしまいます。
2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の明智光秀は、どんな武将として描かれるのでしょうか。
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