2021年NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一が、フランスで学んできたのは世界の化学の素晴らしさ! だけではありませんでした。
薩摩藩に一杯食わされた形の幕府ですが、渋沢栄一は彼にしかできない有意義なことを、沢山学んできました。
それが後に渋沢栄一を「近大資本主義の父」と呼ばせた、基盤となるものでした。
渋沢栄一が学んだこととは、何だったのか!? 今回は、それを紹介したいと思います♪
☆渋沢栄一パリに到着「青天を衝け」2021年NHK大河ドラマの記事はこちらへ☟☟
渋沢栄一 フランスの銀行家エラールに学ぶ
エラールとは、当時の名誉総領事・フリューリ・エラールのことです。
渋沢栄一は銀行家のプロであるエラールから、次のようなことを学びました。
・銀行の仕組み
・銀行の業務
・株式会社の設立要件や組織としての構成
・貨幣制度
・有価証券(株式・債権など)の仕組み
・為替の仕組み
おおよそ資本主義経済の金融に関する全てを、現場を実際に見て体験しながら、エラールから直接学んだのです。
実際に渋沢栄一は、2万両の資金をでフランスの公債を購入し、鉄道会社の株を買っています。
徳川昭武の留学費や生活費を工面することが目的ではありますが、実際に自分が株の動きを見ることで、経済の流れを把握していったのだと思います。
公債は銀行にお金を預けるより高い利子がつき、株は会社の業績が良ければ株価が上がり、配当金が増えるという仕組みを知りました。
帰国までに渋沢栄一が株で儲けた金額は、600両前後と伝わっています。
フランスを始めとする欧州では、個人が株の形で会社に出資したり、銀行がお金を貸し付けるといった方法で会社が設立・運営され、労働者は働いて給与をもらい、会社や労働者個人は所得から税金を払うことで、国が運営されているという、今では当たり前のことを、渋沢栄一は目の当たりにしました。
始めて目にした資本主義のしくみを、渋沢栄一が理解できたことに驚きます。
しかし考えてみると、彼の今までの暮らしが資本主義的だったことに気が付きます。
実家は藍玉を販売する大農家であったことで、若いころから「流通」についての知識が自然と身についていたのでしょう。
一橋家に仕えてからは、裏付けがなく信用が低かった藩札を、しっかりした基盤を持たせて流通させ、藩や領民の懐を潤した実績があります。
加えて、元々柔軟な考え方のできる人物でしたから、スポンジのように資本主義の原理を吸収したに違いありません。
渋沢栄一が日本を変えたかった“もう一つ”のこと
まだ血洗島村にいたころ、渋沢栄一が父の名代として代官屋敷に行ったときのことを覚えてますか?
まだ知らないという方は、こちらを読んでみてください。
この時、渋沢栄一は武士にとっても腹を立てていました。
フランスでも身分がないわけではありません。
しかし、彼らはお互いを尊敬しあい、上下の関係など微塵も感じさせなかったのです。
日本の実力を伴わない武士の横柄な態度に辟易していた渋沢栄一は、これを無くしてしまいたいと痛切に感じたのです。
人が人としてお互いを尊重することこそ、日本の未来図であると確信したに違いありません。
この時の渋沢栄一には、尊王攘夷だの討幕といった内輪揉めなど、すでに眼中から消えていたのかもしれませんね。
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